Louis's Corpus

漫画「Final Phase」の登場人物『羽貫琉伊』の公式ブログです。 「Final Phase」はフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

アシダカグモが出ました。

fp_lc_04.jpg

アシダカグモが出ました。しかも研究室に。アシダカグモってのは結構大きい上にものすごく素早いので嫌われがちですが、ゴキブリを食べてくれる益虫です。なんでもアシダカグモが2・3匹いる家では、そこに住むゴキブリは半年で全滅するとか。(ゴキブリ3億年のひみつより)まあゴキブリが本当に害虫かどうかの議論は必要だけどね。
以前説明した人獣共通感染症(zoonosis)の中でも昆虫が媒介する感染症は大きなボリュームをしめています。有名なところでは、ペストを媒介するノミとか、マラリア、フィラリア、デング熱、日本脳炎を媒介するカ(蚊)とかですね。彼らはヒトと感染動物両方に吸血しようとするので病気を広げてしまうのです。吸血はしませんがハエは不衛生なものを好むので食物を通じて間接的に沢山の感染症を媒介します。
ゴキブリもハエと同じように不衛生なものからサルモネラ菌などを持ってくると言われていますが、「ゴキブリが媒介する特定の感染症」は見つかっていません。ゴキブリをペットにしている人たちもいるしね。清潔な家に住んでいればゴキブリのせいで食中毒を起こすことはないでしょう。というか、清潔な家ならゴキブリなんて出ないか…。食中毒が怖かったらきちんと手洗いをしましょう。
ちなみにゴキブリの糞によってひきおこされるゴキブリアレルギーっていうのもあるので、ハウスダスト・アレルギーをもっている人は気をつけてください。
話が脱線したな。アシダカグモの話でした。ともかくこのアシダカグモってのはワンダフルな生き物です。もともとは外来種でしたが日本にすっかり定着しました。一説では江戸時代からいるとか。基本的には茨城県以南の本州・四国・九州地方に生息しています。ルックスは怖いですが毒はありません。素手でつかむと噛まれることがあるらしいけど、用もないのにいきなり人を噛んだりしません。臆病なので人が近づいたらすぐ逃げてしまいます。そして主食はゴキブリ。ハエや小さければネズミなども食べます。しかも自分の脚を殺菌能力の強い消化液(捕食対象へ注入するためのもの)で手入れするため感染症を媒介する可能性も少ないのです。すごい生き物でしょ。
問題はアシダカグモが現れる所にはゴキブリがいるってことなんだよね。感染症対策として僕のささやかな研究室は掃除の必要性にせまられているな…。
スポンサーサイト

テーマ:絵・イラスト - ジャンル:日記

  1. 2011/11/29(火) 11:13:39|
  2. 日記

ハンタウイルスについて④「アルゼンチンにおけるヒト−ヒト感染」

こんにちは。羽貫です。
さてさて、ハンタウイルスについての説明もはやくも4回目ですね。今までは、こんな風にハンタウイルスがおこす感染症について分かってきましたよ。という話をしてきました。ところが今回の話はちょっと違います。
今回取り上げるのは1996年、アルゼンチンでおきたハンタウイルスによるアウトブレイクの話です。このアウトブレイクはとてもユニークで深刻なアウトブレイクでした。ハンタウイルスは今までネズミからヒトにしかうつらないとされていましたが、このアウトブレイクではどうもヒトからヒトにハンタウイルスの感染が広がったようなのです。

以下はそのときの記録を僕がざっくり日本語訳し要約たものです。くわしくはこちら(英語)をお読みください。かなり長いですが興味深い記録なので、感染経路などを推理してみてください。このアウトブレイクで何が起こったかは未だに分かっていないのです。


fp_lc_09_01.jpg

1996年9月22日、海抜約350mのアンデスの丘陵地帯に位置する田舎町El Bolsonに住む41歳男性(患者Iとする)がハンタウイルス肺症候群(以下HPS)を発症しました。彼はICU管理が必要となり、150km離れたBariloche(人口80000人)の町に移送され、ELISA法によるシンノンブルウイルスに対するIgM抗体の特定と、RT-PCR法によるHVのRNAが検出の結果、シンノンブルとは異なる新たなハンタウイルスが原因であることが判明しました。
患者Iの発症から21日後に母親(患者B)、20日後に主治医(患者A)がHPSに罹患。患者Aの配偶者の医師(患者C)は、患者Aの死後19日後にHPSに罹患しました。
患者Cは首都Buenos Airesの病院を受診しました。そこで彼女の病歴聴取と検査を1時間にわたって行った医師(患者D)は、その24日後にHPSにかかりました。患者DはBuenos Airesの外に出たことは無く発症2ヶ月前の期間中にネズミとの接触歴もありませんでした。患者Dは、患者Cの静脈穿刺した部位を圧迫するのに何層も重ねたガーゼを使ったので、明らかな血液暴露はなかったものと考えられています。そのほか、患者CとDの間での唯一の接触は、患者Cは首都Buenos Airesの病院を受診してから2日後のものであり、Dが病院のICUに別の患者のことでちょっと立ち寄った、というものでした。
Buenos Airesの40歳の医師(患者E)は、友人である患者Cが入院した17日後にHPSを発症。患者Eは患者Aの友人でもあり、患者Aの死後3日間El Bolsonに滞在していました。E医師は入院中のCも頻繁に訪問していましたが、患者Cを含むHPSの患者の治療には関わっていませんでした。
5人目の医師のHPS患者(患者F)は、患者Bに気管挿管し患者Iと患者Gを診察しました。彼は同僚である患者Aと日常的な接触があり、患者Iの妹(患者H)、義理の弟(患者J)、友人(患者K)との会話したこともありました。
El Bolsonから250マイル離れたJacobacciの町で行われたBの葬儀の場では、Iの家政婦(患者L)に既にHPSの兆候があらわれていた。彼女は、車で患者H, Jと彼らの娘(患者M)とともにBuenos Airesに戻りました。HPSの兆候は、これら三人にもこの11日後からそれぞれ現れました。患者Hと患者Jは患者Iの家に泊まったことがありましたが、患者Mは、この葬儀以前にEl Bolsonに来たことはありませんでした。

fp_lc_09_02.jpg

2つめのHPS症例のグループは、Barilocheの町で発生しました。新たな患者はEl Bolsonの患者が運ばれた病院(ベッド数40床、ICU3床の近代的な病院)に関係のある4人でした。病院の夜間受付係の患者N、HPSに無関係の患者の見舞いに来た患者O、27歳男性の患者Pとその妻である患者QがHPSを発症したのです。患者Pと患者Qは、9月20日(彼らの胎生27週の子供が生まれた)から10月27日(その赤ん坊が亡くなった日)までの間に、何度も来院しており、患者Nとの接触の機会が何度もありました。患者P、患者Q、患者Nの3人は、共用の金属製のストローを使用してマテ茶(アルゼンチンで飲まれるお茶)を一緒に飲み、患者Pは患者Nの野営テントのベッドで一緒に寝たりしていました。患者Pと患者Qの赤ん坊は腹部膨満とショック症状により生後37日で死亡しました。臨床所見からは壊死性腸炎が考えられましたが、この乳児の血清学的あるいは組織学的検査からは確定診断は得られませんでした。
El Bolsonでの残りの3人のHPS患者は、44歳男性の患者G、29歳男性の患者R、14歳男性の患者Tです。患者Gと患者Tは、他のHPS患者の中に友人や知り合いが何人かいたが、症状が現れるまでの6週間までの期間中に、HPS患者との接触機会はありませんでした。
患者Rと患者Uは両方とも、同時に発生した散発性のHPSと考えられました。患者Rはチリの山間部に住んでおり、El Bolsonに来てからHPSの兆候が現れました。患者Uは、El Bolsonの150km南の国立公園で働いていた33歳男性で、El BolsonのHPS患者と接触する機会は無かったものと考えられます。

全体的に見て、20人の患者のうち11人(55%)が男性、平均年齢は38歳(13-70歳に渡る)、死亡率は50% (死亡したのは患者I, A, B, E, L, N, O, P, Qの9人)でした。11月から12月にかけては9人中3人が死亡したのに比べて、10月に発症した7人のうち6人が死亡と、死亡率はアウトブレイク後半のほうが低下しました。臨床症状は、アメリカにおけるHPSによく似ていましたが、結膜充血、頭頸部の皮膚紅潮という所見がいくつか見られました。咳症状は少なかったことから、咳による飛沫感染はヒトーヒト感染の決定因子では無いということが考えられます。

このアウトブレイクに関しての調査では、最初の患者Iが発症する数週間前にBとLと共に移り住んだEl Bolson郊外の「レンガ作りの家」が注目されました。二人の医師(患者Aと患者F)と、患者Hと患者Jはこの家の訪問歴がりました。患者の発症から1ヶ月後、この家と付近の建築物が詳しく調べられたが、ネズミが居た証拠となるものは発見されませんでした。El BolsonとBarilocheの患者の住居の周辺地域と、自然区域におけるtrap success(100晩罠を仕掛けて捕まえられたネズミの数)の結果からは、この時期に特にネズミが増加していた訳では無い、ということが分かっています。


いかがだったでしょうか?このアウトブレイクは未だに謎だらけです。ヒトからヒトへの感染があったのは確実と考えられていますが、感染経路(直接的な接触?糞尿?感染性のあるエアロゾル?汚染された何らかの媒介物?)は未だに判明していません。ハンタウイルスは分離培養がなかなか難しいので、病気のどの時期で感染するのか、接触方法や接触持続時間がどのくらいだと感染するのか、なども現在のところ全く不明です。さらに感染最初の発症者、患者Iがネズミと接触した形跡がないとすると、このウイルスは一体どこからやってきたのでしょうか?

出典
CDC,EMERGING INFECTION DISEASES,Volume 3, Number 2—June 1997
Dispatch,An Unusual Hantavirus Outbreak in Southern Argentina: Person-to-Person Transmission?
Rachel M. Wells*, Sergio Sosa Estani†, Zaida E. Yadon‡, Delia Enria¶, Paula Padula‡, Noemi Pini†, James N. Mills*, Clarence J. Peters*, Elsa L. Segura‡, and the Hantavirus Pulmonary Syndrome Study Group for Patagonia §

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

  1. 2011/11/24(木) 12:44:11|
  2. ハンタウイルスについて

ハンタウイルスについて③「アメリカでのアウトブレイク」

fp_lc_03.jpg

おはようございます。羽貫です。
週末からちょっとアメリカに行ってCDCに顔をだしてきました。CDCとはアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)の略です。CDCはアメリカ政府の機関ですが、パクス・アメリカの精神のもと、世界的に大きな影響力を持つ研究機関です。2003年のSARSのアウトブレイクの時に最初に警告を出したのは WHOではなくCDCでした。CDCのサイトを見ていただければわかるように、世界中の様々な疾病に目を光らせ研究を続けています。そしてここはハンタウイルスの研究者のメッカでもあるのです。なぜならばアメリカにおいてハンタウイルスがとてもホットなウイルスになってしまう事件があったからなのです。
前回は主に日本とユーラシア大陸で流行った旧大陸型ハンタウイルスについて説明しました。今回はハンタウイルスによる感染症は存在しないと思われていた新大陸で、ハンタウイルスのアウトブレイクが起きた話をしたいと思います。それは今からほんの少し前、1993年の出来事でした。


1993年5月、アメリカ南西部ニューメキシコ州で謎の肺病が大発生しました。
最初に注目された患者は、アメリカインディアンのナバホ族の若い成人男性でした。彼はもともと健康体だったにもかかわらず、インフルエンザという診断を受けたわずか数日後に頻呼吸(呼吸数が増加し、かつ呼吸が浅い状態。)におちいり、搬送先の病院で死亡したのです。彼の急激な死の原因は不明でした。ある医師が、この男性の婚約者が2−3日前に同様の症状で死亡したということ知り、これは新たな感染症なのではないかと疑ったことで、このアウトブレイクは「発見される」ことになります。その後行われた州全域での調査によって、新たに5人の健康な若者が同様の急激な呼吸障害をおこし、全員が死亡していたことが分かったのです。この感染症による死亡者のほとんどはARDS(急性呼吸窮迫症候群:重症の状態の患者に突然起こる呼吸不全の一種)などと診断され、情報の共有は行われていませんでした。
死亡患者は全員、重症の肺水腫(肺の実内部に自分の体液が染みだして溜まった状態。溜まった水分により呼吸が障害され、呼吸不全に陥る。)をおこしていました。そのため肺ペストやマイコプラズマ肺炎がうたがわれ検査がおこなわれましたが、これらの推測は否定されました。また感染者の発症した地域が広いことも謎を深めました。さらに最初の患者の数人がナバホ族だったことが報道されると、この感染症は「ナバホ病」などとよばれるようになり、ナバホ族への過剰な取材合戦や差別が起こりました。ナバホ族はより閉鎖的になり、調査はより困難になりました。おかげでナバホ族の居留地政府や現地の病院のスタッフがこの感染症の調査の必要性について訴えてまわらなければなりませんでした。
次の週数間のうちに患者から採取されたいくつかの検体がCDCに送られ、さまざまな種類の検査が行われました。そのうちの一つ、各地の出血熱を判定出来る「免疫グロブリン獲得検定法での調査」の結果、検体の血清はハンタウイルスに反応したのです。慎重に検証を重ねた結果、血清学的には今回の肺症候群がハンタウイルスによるものであることはが証明されました。しかし、アメリカ大陸でハンタウイルスに関連した感染症が確認されたことは今までありませんでした。この感染症は未知のハンタウイルスのものであると疑われました。

ハンタウイルスが、齧歯類により感染することは長年の研究で既に知られていたました。そこでまず、この地域に住んでいる齧歯類の種類が調査されました。1993年の7月から8月中旬にかけて、患者の居住地域のネズミが、屋内外を問わずに捕獲されました。(比較検討のために患者の居なかった地域のネズミも捕まえられました。)約1700匹のネズミが捕まえられ、解剖されて検体がCDCに送られました。その結果、罠でつかまった齧歯類のなかのシカネズミの血中からハンタウイルスの抗体が見つかったのです。シカネズミは一般的には屋外で生息していますが、郊外では人の家や納屋の中など巣をつくります。この時の調査で捕らえられたシカネズミの約30%がハンタウイルスに感染していました。

fp_lc_08.jpg

シカネズミが今回のアウトブレイクの原因であるということをよりはっきり証明するために調査はまだまだ続きます。次のステップとして、感染したシカネズミと患者との関係を指摘するためのケースコントロール調査行われました。これは、患者の出た「症例群」の家と患者の出ていない「コントロール群」の家とを比較し、感染症の原因を探る調査です。結果として、「症例群」の自宅付近でより多くのシカネズミを捕らえたことから、患者はシカネズミとの接触がより多かったであろうことが予想されました。加えて、「症例群」の家では家の周りを整えて庭などに植物を植えている傾向がありました。これらの庭いじりの作業のために納屋や物置に出入りしたことでシカネズミとの接触機会が増加した、ということも予想されました。

1993年11月、CDCの研究チームは、New Mexico州の患者宅付近で捕獲されたシカネズミから採取された検体から培養されたウイルスを分離特定に成功しました。ウイルスは当初、このウイルスが発生した地域の名前を取ってムエルトキャニオンウイルス(Muerto Canyon Virus)と名付けられました。しかしムエルトキャニオンはナバホ自治区に二カ所あり、もう片方のムエルトキャニオンがナバホ族の悲劇の場所であったことから、後にシンノンブルウイルス(Sin Nombre Virus)という名称に変更されました。シンノンブルとは名無しという意味です。新しいウイルスの名前はそのウイルスが発見された場所の名前を取ることが多いのですが、このウイルスの名前になることを、どの場所の住人も嫌がったのです。
このウイルスにより引き起こされる新しい病気は、ハンタウイルス肺症候群 (Hantavirus Pulmonary Syndrome;HPS)と呼ばれるようになりました。
その後の調査研究により、このウイルスは以前からシカネズミに保有されており、古くからHPSの散発的な発生があったことが確認されました。これより以前に「謎の肺病」で死亡した患者の検体を調べたところ、いくつかの検体からシンノンブルに感染した証拠が見つかったのです。現在では1959年ユタ州で死亡した38歳男性というのが、ハンタウイルス肺症候群の証明できる最初のケースだったと考えられています。

このように、ハンタウイルス肺症候群はそれまで医療関係者の間で全く知られてなかったにも関わらず、実はナバホ族の間では「急性の経過をたどる肺病」として広く知られたものでした。彼らの医療的伝統では、これがネズミに関連しておこるものであり、「ネズミを排除することで病気を予防できる」ということが伝えられていたのです。さらに、伝染病の発生当初からナバホの占い師は天候が今回の感染症の原因だと訴えていました。科学者は彼らの訴えを真剣にとりあっていませんでしたが、現在では1993年のアウトブレイクの原因は前年度からのエルニーニョ現象であったと考えられています。エルニーニョによる降雨量増加により北米の砂漠地帯が緑地化したため、前年比10倍という齧歯類の爆発的な繁殖をもたらし、シカネズミとヒトとの接触機会が格段に増加したのです。

1993年以降、米国以外のアメリカ大陸諸国でもハンタウイルス肺症候群の発生は相次いで確認されるようになりました。カナダ、アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル、ボリビアなどで計1000 人以上の患者がハンタウイルス肺症候群に感染したと報告されています。またハンタウイルス肺症候群を引き起こすハンタウイルスは一種類ではなくBayou、Black Creek Canal、NewYork-1などの新種のハンタウイルスが相次いで発見されました。これらはひとくくりに新大陸型ハンタウイルスと呼ばれています。
ハンタウイルス肺症候群も腎症候性出血熱と同様に感染齧歯類の排泄物の吸引により感染が起こります。そのため対策は腎症候性出血熱と同じです。(ともかくネズミ、ネズミのいそうな所をさける。ホコリを吸い込まない。)新大陸型ハンタウイルスにはワクチンはまだなく、治療法も確立されていません。致死率は37%程度と未だ高いままです。

このようにハンタウイルスは旧大陸型、新大陸型ともにネズミからの感染のみで、ヒトからヒトへの感染は無いものと考えられていました。ところがその常識を覆すアウトブレイクが、1996年アルゼンチンで発生したのです。
次回のエントリではこのアウトブレイクの謎解きをしたいと思います。





ウイルスX―人類との果てしなき攻防

1993年のハンタウイルスのアウトブレイクについて本でしっかり読みたい方はフランク・ライアン氏のこちら本をどうぞ。ちょっと古いし、ウイルスと対決!みたいなタイトルが個人的にはあまり好きではありませんが、ハンタについてしっかり取材してあって、面白いですよ。ハンタの他にもエボラやエイズについてふれられています。



破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

同じくフランク・ライアン氏の最近の一冊。こちらはウイルスが生物の進化に果たした役割について書かれた力作です。
ウイルスが人類の敵だと思っているひとはぜひ読んで目から鱗落としてください。



参考文献
苅和宏明: ハンタウイルス感染症. モダンメディア (2004)
Zhenqiang Bi et al. : Hantavirus Infection. J Infect Developing Countries (2008)
Detlev H. Krüger et al. : Human pathogenic hantaviruses and prevention of infection. Human Vaccines (2011)
参考サイト
http://www.cdc.gov/hantavirus/

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

  1. 2011/11/22(火) 09:18:53|
  2. ハンタウイルスについて

「グレート・インフルエンザ」ジョン・バリー

おはようございます。羽貫です。

あんまりハンタウイルスの話ばかりしているとあきられてしまいそうなので、そうじゃない話もしていこうと思います。といっても感染症がらみじゃない話を僕がしても何の価値もないと思うので、感染症にかかわる面白い本を紹介しつつ僕の話も織り交ぜて行きたいと思います。

というわけで『羽貫琉伊の本棚紹介第一回』はジョン・バリーの「グレート・インフルエンザ」です。
インフルエンザなら誰でも興味あるよね。もうすぐ流行も始まるし。



インフルエンザはおそらく僕らにもっとも身近な感染症でしょう。日本でも毎年様々な型の季節性インフルエンザが流行し、全国で1万人前後が感染、そのうち0.5%が亡くなります。近い将来、もっと致死率の高いインフルエンザによるパンデミック(感染症の流行が複数の国や地域に亘り、多くの患者が発生すること)が起こり、たくさんの人が犠牲になるのではないかと言われています。じゃあなんか対策をとれよって、それがなかなか難しいのです。

インフルエンザウイルスの特質は他のウイルスに対して進化がめちゃくちゃ早いところにあります。インフルエンザウイルスはHIVやコロナウイルスと同じRNAウイルスです。RNAウイルスは遺伝子情報のコピーの際エラーを起こしやすく突然変異して進化しやすいのです。(エラーの確率はDNAに対して1万倍〜100万倍高く、その分進化も早くなる。)さらにインフルエンザウイルスのRNAはゲノムが分節されていて、二つの異なるインフルエンザウイルスが一つの細胞に感染するとそのゲノムの分節が交換され、新しい混合ウイルスが出来ることがあるのです。つまり簡単に違う型のウイルスと遺伝子をシャッフルして新しいウイルスになることが可能なわけです。これはウイルスが種を飛び越えることを容易にします。こうして毎年新しい型のウイルスが野鳥で流行ったり、鶏で流行ったり、豚で流行ったり、ヒトに流行ったりするわけです。
毎年出回るインフルエンザワクチンは、この膨大なインフルエンザウイルスの中から、その年に流行りそうな株をWHOが数株選び、製薬会社がその推奨を受けて作ります。大量のワクチンの生産にはとても時間がかかり、実際に感染症が流行ってからでは製造が間に合わないからです。つまりWHOの推奨が外れるとそのワクチンは効きません。
さらにインフルエンザは抗ウイルス薬があるまれな病気ですが(いわゆる抗生物質は細胞膜に作用する薬なので、細胞膜がある○○菌には効くけれど、細胞膜のない××ウイルスには効かないんだよ。)その効果は限定的です。タミフル騒動は記憶に新しいですね。
このようにワクチンも抗インフルエンザウイルス薬も完璧に効く訳ではないインフルエンザですが、それが超致死率が高い株に進化しちゃっててものすごく流行っちゃったらどうなるのか?というのをじっくり読めるのがこのノンフィクション、「グレート・インフルエンザ」です。

「グレート・インフルエンザ」のインフルエンザとはいわゆる「スペインかぜ」のことです。このインフルエンザのは1918年~19年にかけて全世界で6億人が感染させ(およそ世界中の人間の3人に1人が発病)、4000~5000万人を殺しました。日本でも多くの死者を出し、皇族から劇作家、軍人などを手にかけました。
このインフルエンザはアメリカ大陸で発生し、第一次世界大戦の情報統制にまぎれ、兵士の移動とともに世界中にばらまかれたのです。「スペインかぜ」と呼ばれたのはスペインが当時中立国で、情報統制がおこなわれていなかったため、この感染症の存在がきちんと報じられたからでした。

もちろんインフルエンザウイルスはそれ自体が危険が存在です。この本の中には、適切なワクチンも、抗インフルエンザウイルス薬も、正しい医療知識もなく、危機を伝える通信手段も乏しい頃のインフルエンザのパンデミックがいかに強力に殺戮をおこなったか、という話が克明にかかれています。
(ちなみに僕はパンデミックが起こらない確率に賭けるより、副作用にかかららない確率に賭けて予防接種受けたほうがいいと思ってます。WHOがその年の流行を当てれるかどうかはわかんないけどね。)

しかし「グレート・インフルエンザ」はただ単に「怖い病気の話」ではありません。
「第一次世界大戦の終結を早めた。」「あと何週間か続いていたら文明が消えかねなかった。」
というようなパンデミックが起こると、社会というものはどうなってしまうのか、というのがこの本の最大のテーマです。
医学には公衆衛生っていう分野があってこれはWHOの言葉を借りると「組織された地域社会の努力を通して、疾病を予防し、生命を延長し、身体的、精神的機能の増進をはかる科学であり技術である」と定義されます。つまり簡単に言うと健康は病院と医者だけじゃ守れませんよっていうことです。
どういう医療制度にするか、食品衛生はどう管理するのか、上下水道はどう整備するのかなどが僕たちの健康にとってものすごく重要なのはわかりますよね。こういう分野もれっきとした医学なのです。
ちなみに僕の専門の疫学も公衆衛生の一分野です。この話はまた今度しましょう。

パンデミックに対抗するには公衆衛生の力が、つまりは社会全体の力が必要です。行政、軍人、学者、マスメディア、一般市民、それらがどの様に機能し、あるいは機能しなかったのか、誰に権限が必要で、誰が判断ミスをし、それによって一般市民が(あるいは可哀想な兵士たち)どうなったか、「グレート・インフルエンザ」ではつぶさに読むことができます。この本はインフルエンザに留まらず社会全体の危機管理の話でもあるのです。

ちなみに、危機に陥ったときの対応について、作者はものすごく正しいことを言っています。それは「正直になれ」ということです。相手のパニックを恐れ、現実を過小評価したデータを発表したり無意味なポジティブ発言をするのはかえって相手の恐怖をまねきます。(こういうことをするのは典型的なエリートパニックだね。)「相手を信用しなければ自分も信用されない」という基本原則を大切にしないと危機は乗り切れないのです。


グレート・インフルエンザ

分厚いけどすぐ読めます。





インフルエンザ21世紀 (文春新書)

こっちは瀬名秀明氏の本。
2009年の新型インフルエンザのパンデミックの時何が起きていたか、多くの人にインタビューしていて面白い。日本のパンデミック対応の成果、課題について知ることができます。

テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2011/11/17(木) 08:51:07|
  2. 羽貫琉伊の本棚紹介

ハンタウイルスについて②「日本とのかかわり」

こんにちは。羽貫です。

今日もハンタウイルスについて説明していこうとおもいます。前回のエントリーはこちら
今回は皆さんに少しでもハンタに興味をもってもらうために、ハンタウイルスと日本とのかかわりについて書いてみます。

そもそも日本にはハンタウイルスによる感染症は存在しませんでした。しかしユーラシア大陸全土には古くから旧大陸型ハンタウイルスによる様々な種類の出血熱が存在していて、割と有名だったのです。(なんでも10世紀の中国の文献にすでに記載されているらしい。)

この感染症は永らく病原因子が不明だったので各流行地においてその場所の風土病と考えられ、韓国では「韓国出血熱」、中国では「流行性出血熱」、旧ソ連では「出血性腎症腎炎」、スカンジナビア諸国では「流行性腎症」という風に、色々な病名で呼ばれていました。これらは全て旧大陸型ハンタウイルスのせいだったわけです。

出血熱とはなにかというと、読んで字の通り熱が出て出血する病気のこと。(有名なのはエボラ出血熱ね。)大陸型ハンタウイルスによって引き起こされる出血熱の一つ、腎症候性出血熱(HFRS : hemorrhagic fever with renal syndrome)にかかると、まず発熱、筋肉痛、頭痛、背部痛、腹痛、下痢症状などが前駆症状としてあらわれ、続いて、蛋白尿、白血球減少、肝胆道系酵素の上昇、点状出血(皮膚の表面に内出血の痕が赤く出てくる)などがあらわれます。

根本的な治療方法はないので対症療法が基本になります。病名からもわかる通り主に腎機能障害が主体なので、乏尿期には人工透析が必要になります。(後遺症として一生人工透析が必要になる場合もあるんだよ。)致死率は現在でも未だに5%と高いけれど、昔はもっと高い病気でした。

fp_lc_07.jpg


日本とハンタウイルスのかかわりは日本が旧満州(現中国北東部)に満州開拓団を送り込んだことから始まります。開拓団の日本人が現地で大陸型ハンタウイルスに感染し、腎症候性出血熱にかかって次々と死亡したのです。
さらに1938年旧日本陸軍がこの地域に進駐した頃、「突然の高熱、高度の蛋白尿、出血素因等を主症状とする急性熱性疾患(つまり腎症候性出血熱)」が流行しました。以降、この地方の軍隊内では毎年この病気の発生が続き、トータルで約1万人の患者が発生、その10%以上が死亡するという惨事になりました。この病気は発生地の名前から孫呉(そんご)熱、虎林(こりん)熱等の名称で呼ばれ恐れられていました。(同じ頃アムール川対岸のソ連軍も同じ病気に悩まされていました。)

この「急性熱性疾患」は陸軍軍医団においてかなり熱心に研究さることとなります。その結果これらの風土病は「流行性出血熱」と命名して統一され、「マンシュウセスジネズミに寄生したトゲダニが媒介するウイルス性疾患」であると結論付けられました。ダニが媒介するというのは間違ってるけど、ネズミが原因と考えたのは合ってますね。

ちなみにことのとき流行性出血熱の研究に深く関わったとみられるのが悪名高い「あの部隊」です。そのためにハンタウイルスには暗いイメージがつくようになり、後にさまざまな陰謀説が唱えられるようになりました。
実はこのあたりの話は僕がハンタウイルスの研究に携わっている理由と関係しているのですが、ここではのべません。

そして戦後、こんどは日本でハンタウイルスによるアウトブレイクがおこりました。

1960年代には大阪梅田周辺の繁華街を中心として、ドブネズミが感染源と疑われる腎症候性出血熱が発生。当時はハンタウイルスが原因とはわからず、「梅田奇病」と呼ばれていました。限られた地区の住民119 名が発症し、そのうち2名が死亡しています。感染源としてネズミが疑われながらも、確認されるまえにアウトブレイクは自然消滅。1980年にハンタウイルスによるものであったこのが確認されました。
このアウトブレイクに関しても、前述の部隊のイメージと、なぜこの時期にこの場所にだけ出現したのかなどの理由が不明なせいで、様々な陰謀説が飛び交っています。

さらにその後、1970〜84年まで、全国の大学や研究機関の実験動物施設で実験用ラットを介した腎症候性出血熱の感染が発生。感染したラットが確認されたのは全国21の期間におよび126名が発症、うち1名が死亡しました。流行のあった実験施設では、施設の閉鎖され、全ラットの安楽死がなされました。

その後、日本国内での患者発生は認められていません。(そして僕の研究費は少ない。)しかし、ドブネズミや野ネズミを対象にした疫学調査では、日本全国20箇所の港湾地区で捕獲された齧歯類がハンタウイルスに感染していることが明らかになりました。今後何らかの原因で人と齧歯類の接触機会が増加した場合、ハンタウイルス関連疾患の再流行が起こる可能性が懸念されています。

ここで日本以外の話もしておきましょう。

ハンタウイルスの研究が飛躍的に進むことになったキッカケは1951年から1954年にかけての朝鮮戦争でした。このとき米軍ははじめてこの病気に遭遇し3000人以上が感染したのです。(感染症の世界には「白人が一人死ぬまでその病気は存在しない」といういやなコトバがあります。)
そして1976年に高麗大学のHo Wan Leeが自然宿主のセスジネズミから原因ウイルスの分離に初めて成功しました。このウイルスはセスジネズミの捕獲場所である「38度線近くを流れる漢灘江の名前(Hantaan river)」をとってハンターンウイルスと名づけられました。

腎症候性出血熱は決して過去の病気ではありません。中国では現在でも、医療当局が把握しているだけで年間約10万人の患者が発症していると言われています。(韓国では数百人、欧州全域では数千人程度の患者発生があると推測されています。)
流行地域を訪れる時はネズミがいるような場所はさけ、清潔な場所に寝泊まりし、ホコリを吸い込まないようにしてください。
ちなみに旧大陸型ハンタウイルスには現在不活性ワクチンがあり(米軍が開発した)、韓国、中国で発売されています。


今回のエントリーはここでおしまい。
多少はハンタウイルスに興味をもっていただけたでしょうか?

次回は対岸の火事だと思っていたアメリカ大陸がハンタウイルスに襲われる話をしましょう。



参考文献
げっ歯類媒介性人獣共通感染症としてのハンタウイルス感染症対策 有川二郎 ウイルス53(1),63-69,2003
腎症候性出血熱 有川二郎、橋本信夫 ウイルス36(2),233-251,1986
大阪市内に見られる流行性出血熱 田村雅太 生活衛生第10巻第4号,1966
急性腎不全 菱田明 日腎会誌2002;44(2):94-101

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

  1. 2011/11/15(火) 14:56:09|
  2. ハンタウイルスについて

ハンタウイルスについて ①



こんばんは。羽貫です。
寒くなってきましたね。

さて、今回から早速僕の専門のハンタウイルスについて説明していきたいと思います。
長くなってしまわないようにがんばります。

さてさて・・・

ハンタウイルスは、ブニヤウイルス科の中のHV属に分類されるRNAウイルスです。齧歯類(つまりネズミ)により媒介される人獣共通感染症の病原体なので、ネズミのいるところではどこでもハンタに感染する可能性があります。もちろん日本でもね。

ちなみにこの人獣共通感染症(zoonosis:ズーノーシス)ってのはなかなか曲者です。これは読んで字の通りヒトと動物両方にかかる病気のことでで、代表的なものとしてはペスト、インフルエンザ、 SARS、 狂犬病、エボラ出血熱、などがあります。この並びを見ればわかると思うけれど致死率の高い病気がとても多い。その理由は今後説明するとして、人獣共通感染症の一番のやっかいさは「絶対に撲滅できないところ」にあります。

少し話がそれますが、人類が撲滅できたたったひとつの感染症は天然痘です。
天然痘ウイルスは現在アメリカ疾病予防管理センター(CDC)とロシア国立ウイルス学・バイオテクノロジー研究センター(VECTOR)のレベル4施設の中にしか存在しません。(ソ連崩壊時にテロリストの手に渡ったっていう噂もあるけど。)なぜならば天然痘はヒトにしか感染しない病気だからです。だからヒトに対する予防を徹底すれば撲滅することができるのです。

ところが人獣共通感染症の場合は、ヒトだけでなくその感染症にかかったすべての動物に対して予防をしなければ撲滅することはできません。しかも多くの場合、病原体は本来の宿主(host:ホスト)と仲良くやっていて、宿主は病気にならずに元気に病原体をまきちらします。世界中のノミを殺せばペストは撲滅できます。世界中の渡り鳥に「全ての型のインフルエンザウイルスを殺せる薬(そんなものないけど)」を投与すれば新しいインフルエンザの流行は無くなるかもしれない。でもそんなことはどう考えても無理です。

獣共通感染症というのは決して撲滅できないのです。(そして僕らの仕事はなくならない。抗生物質が出来たときなくなるって噂もあったんだけどね。)

話をハンタに戻すと、齧歯類はウイルスに感染しても特に弱りません。これはハンタウイルスの本来の宿主が齧歯類だからです。そのためハンタウイルスに感染した齧歯類は無症状のまま元気にウイルスを長期間保有し、糞尿中にウイルスをばんばん排出します。

このウイルスを含んだ糞尿を粉塵と一緒にヒトが吸い込み経気道的に(つまり鼻とか口とかの粘膜から)感染すると、腎症候性出血熱(HFRS : hemorrhagic fever with renal syndrome)やハンタウイルス肺症候群(HPS : hantavirus pulmonary syndrome)といった重篤な感染症になってしまうのです。

ハンタウイルスは、齧歯類同士の接触によって感染を広げるため、感染動物の居住地域とウイルス型には相関があります。現在のところ腎症候性出血熱(HFRS)を引き起こすハンタウイルスを「旧大陸型」(アジア、ヨーロッパ圏で8種類を確認)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)の原因となるハンタウイルスを「新大陸型」(アメリカ大陸で17種類を確認)とおおまかにわけています。(近年の研究では、齧歯類だけでなくある種のモグラ等の食虫類にもハンタウイルスの感染が確認されています。)

というわけでハンタウイルスによる感染症を広げる齧歯類の一覧をのせておきます。

fp_lc_06_02.jpg

ドブネズミによる腎症候性出血熱(HFRS)が致死率が低いから自分とハンタは関係ないやと思った方、侮るなかれ。ハンタウイルスは日本人ともいろいろかかわっているのです。

ちょっと長くなって来てしまったので、その辺りの話は次回のエントリーで。

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

  1. 2011/11/10(木) 19:20:54|
  2. ハンタウイルスについて

ブログはじめました。

fp_lc_02.jpg

こんばんは。羽貫です。気まぐれでブログをはじめました。
どの程度続くかわかりませんが時間があるヒトはつき合ってね。

ブログタイトルは「ヒポクラテス集典」から取りました。
ヒポクラテスは言わずと知れた「医学の父」。古代ギリシャの医師で「医者とはこういうもんだ!」という思想を作った医者の神様みたいなヒトです。ちなみに僕の専門は疫学なんだけど、疫学の祖もヒポクラテスなんだよ。
というわけでヒポクラテス集典は英語で「 Hippocratic Corpus」なので「 Hippocratic」の部分を僕の名前「琉伊(ルイ)→Louis」にかえてみました。僭越すぎるね。
ちなみに「ヒポクラテス集典」はラテン語では「Corpus Hippocraticum」と綴ります。僕の名前「琉伊」はラテン語では「Aloysius(アイロシウスと読む)」。琉伊の響きから遠すぎる!ということでブログタイトルを格好付けてラテン語にするのはやめました。あんまりラテン語にくわしいわけでもないしね。

ヒポクラテス集典にははるかに及ばないけど、僕の専門分野の話とか、ちょっと興味をもった話とかをちょこちょこ書いていきたいとおもいます。

というわけで自己紹介がてら画像の説明を少し。
見れば分かると思うけどこれは僕のデスクの写真です。僕は感染症についての研究をしています。専門はハンタウイルスっていうウイルスなんだけど、日本では最近感染者を出していないので研究費は少ない。よって僕の部署の机はひとつ。気楽にやってます。
日本ではあまり有名じゃないハンタウイルスだけど、いまアメリカ大陸ではとってもホットなウイルスで、1993年のアメリカをはじめとして何度もアウトブレイクを起こしているんだ。
画像に映っているマグカップは僕の友人が作ってくれた、ハンタウイルスの電子顕微鏡写真をプリントしたもの。すごく気に入ってます。ハンタウイルスはまるっこくてかわいいんだけど、なかなか凶悪なウイルスです。
ハンタの説明はこれからここでしていきたいと思ってます。

多少は自己紹介になったかな?
というわけで今日のエントリーはそろそろおしまい。
  1. 2011/11/08(火) 19:03:31|
  2. 日記

このブログについて。

このブログは2011年4月から9月まで、PHP研究所より発行された「フューチャーサイエンスシリーズ」に連載された漫画「Final Phase」の登場人物『羽貫琉伊』の公式ブログです。
「Final Phase」はフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

羽貫琉伊は架空の人物です。
このブログはフィクションです。

「Louis's Corpus」は「Final Phase」の作者、朱戸アオが「Final Phase」の世界観をより理解していただくために制作したものです。
以下ブログには「Final Phase」のネタバレを含みます。「Final Phase」を読んでからこのブログをお楽しみいただけると作者がよろこびます。

なおハンタウイルスは実在するウイルスであり、記事の内容は現実に即したものも多いのですが、そのまま参考になさらず、必ずソースをあたってください。
ご意見ご感想、間違いのご指摘等は朱戸までメールでおよせください。



Final Phase (PHPコミックス)


  1. 2011/11/08(火) 19:03:15|
  2. 必ずお読みください。

プロフィール

羽貫琉伊

Author:羽貫琉伊
漫画「Final Phase」の登場人物。
架空の人間。
ウイルス、感染症、疫学の研究をする日々。
専門はハンタウイルス。

カテゴリ

必ずお読みください。 (2)
Final Phase (11)
ハンタウイルスについて (6)
羽貫琉伊の本棚紹介 (6)
日記 (4)
近影 (11)
未分類 (0)

メール

ご意見ご感想は下記までお寄せください。

acatoaoアットマークcyclo6.com

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

ランキングに参加しています。

FC2 Blog Ranking

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。